気になる行動があればまずは医師に相談を
発達障害は「発達障害支援法」では、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢に置いて発現するもの」と定義されています。日本臨床心理士会の「乳幼児健診における発達障害に関する市町村調査」(2012年の調査)によると、1歳6ヶ月児検診と3才児検診に置いて「要観察・要精密」と判定された子どもは、いずれの年齢でもおよそ4人に1人。そのうち発達・行動に問題が合った割合は、約4割とされています。検診を受けた子ども全体で見ると、いずれの年齢でも約1割に発達・行動面で気がかりな点があるという結果です。また、発達障害の可能性のある児童生徒は、どの学校にも学級にも在籍していると考えられ、国では文部科学省や厚生労働省などが連携して、対象となる児童の指導や支援を行っています。
発達障害は家庭環境や親のせいではない
発達障害は生まれつきの障害です。発達障害の原因は、脳機能の障害によって発達にかたよりが生まれることによって、コミュニケーションや認知などにかたよりが出てしまい、周りから理解しがたい行動をとってしまうのです。発達障害という病気が知られていなかったころは、親のしつけや育て方に問題がある、愛情不足が原因だなどと言われることがありました。これによって深く悩み、傷ついた親もいました。
いくつかの障害が合併するケースもある
発達障害はいくつかのタイプに分けられます。それぞれに特徴的な振る舞いがあり、その特徴によって障害名がつけられています。しかし、特徴的な振る舞いが重なっていることもあります。どのタイプかを明確に診断することは難しいとされています。また、年齢や環境によって目立つ症状が違ってくるため、診断された時期により、障害名が異なることもあるといいます。こうしたことから、障害名より、その子がどんな点に困っているのか、どんな事ができて、どんなことが苦手なのかといった、その子ども自身に注目し、特性を理解したうえで接していくようにすることが大切です。発達障害は、その障害により診断可能となる年齢が違いますが、早期発見・早期療育といわれており、適切な医療的リハビリテーション、指導訓練などの療育を行なうことにより、障害の軽減及び基本的な生活能力の向上を図り、自立と社会参加を促進することを目指します。乳幼児健診で問題を指摘された場合には、児童相談所などに相談し、医療機関を受診する場合には、児童相談所などに相談し、医療機関を受診するのがいいでしょう。なにもせず、不安を抱えているよりは専門機関に相談、受診することで、子育ての不安や悩みが軽くなることもあります。
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